多様化するライフスタイルに合わせた福利厚生の改革

価値観やライフスタイルの多様化に適した公平な住宅支援制度へ
「Hondaグループの基となっているのが、 本田宗一郎と藤澤武夫の二人の創業者が残した 「Hondaフィロソフィー」。 Hondaで働く社員一人ひとりの 価値観として 共有されているだけでなく、 いつの時代も行動や判断の基準となっています。
福利厚生もこの考え方をもとに、自助努力・相互扶助・公平性を原点として、「現在の生活が充実し、将来の生活にも憂いがなく、自立し、安心して働けて、仕事に集中できる環境を作る。それが我々の福利厚生の目的です」と語るのは、労政部労政課の駒村康さんです。
多くの制度を揃える同社ですが、時代適合性と多様性の視点で、最近、制度を大きく見直しを進めています。主に3分野にわたりますが、その第一が住宅の制度です。その理由を、人事部人事課グループリーダーの馬場洋平さんは、「かつては『男性が世帯主として家賃を払って一家を支える』という考え方があったり、『持ち家を購入すること』を前提として制度設計がなされたりしていましたが、共働き世帯が増え、従業員が多様なライフスタイルを送るようになった今、これらは必ずしも当てはまらなくなり、時代に適合した公平な支援が求められるようになりました」と語っています。
多様なライフスタイルに応え、持ち家購入を前提とする制度は見直し、住宅の持ち方に拠らない支援を拡充するなど、公平な支援に改めていく方向性で検討を進めています。
食堂メニューは健康志向で3ラインに、従業員販売制度も使いやすく改善
2つめの分野が食事制度ですが、ここにも大きな変化が訪れています。労政部給与厚生課グループリーダー山崎紘和さんは、直近まで働いていた工場の食堂メニューについて、「かつてはパワーのあるカロリーメニューを好む人がたくさんいましたが、最近では野菜を増やせませんかとか、タンパク質重視の食事はできませんかとか、健康配慮のメニューを求める熱のこもった声がたくさん出てくるようになりました」と語っています。

そこで同社では労組とともに委員会を立ち上げ、この4月から、従来のメニューを「スタンダード」と位置づけ、手軽で栄養バランスの取れた低価格帯の「スマート」と、少し高めで質や食材にこだわった「スペシャル」を加えて、3つの価格帯で提供し始めました。従業員にとって選ぶ楽しみが増え、食堂はいっそう賑わっているようです。
「買う喜び」を加速—従業員販売制度
3つめの分野、従業員販売制度とは、従業員が自社製品を好条件で購入できる制度です。会社が指定する特定の製品を割引価格で購入できる制度であったものを、より利用しやすく刷新しました。
新制度(通称:買うサポ)では、販売店を通じて従業員自身が選択した製品を購入した場合に奨励金を支給する仕組みとし、支給方法も「現金」または「持株会奨励金」から選択できるようにました。これにより、従業員の「買う喜び」を加速し、エンゲージメントを高めることを狙っています。
こちらも4月から始まったばかりの制度ですが、発表から3日間で800人近い従業員がホームページの案内を見るなど、期待の高まりを裏付けています。
現在も同社の福利厚生制度は、月に一度の厚生係長会議で各事業所からのニーズを集約し、議論が続けられています。労政部給与厚生課課長の栫(かこい)智子さんは、
「福利厚生は、会社がどれほど従業員を大事に思っているのか。それを伝えるメッセージにもなっています。今は変化に向き合わなければならない時代。それに応じてこれからも新しい仕組みを採り入れ、そのたびにしっかりと従業員の反応を見て、改善を重ねていくつもりです」と語っています。
